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PAI-2
新谷 憲治
1
1富山医科薬科大学医学部臨床検査医学
pp.72
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903080
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プラスミノゲンアクチベーターインヒビター2(PAI-2)は,Kawanoらにより胎盤中に発見されたプラスミノゲンアクチベーター(PA)に対する阻害物質(PAI)の1つで,現在では,単球,マクロファージ,ケラチノサイト,血管内皮細胞,線維芽細胞など多くの細胞に発現されていることが知られている.
PAI-2は健康成人の血中に証明されず,PAI-Iに比べて生理的意義が乏しいとされてきたが,最近PAI-Iが酸化されると,そのPAI活性を失うのに反し,PAI-2は酸化抵抗性であることが報告され,PAI-2が炎症や免疫現象の反応の場での線溶制御に中心的役割を演じていると推定される.糖鎖を有する分子量60kDaのものと糖鎖のない47kDaのPAI-2が,U-937細胞より鈍化された.PAI-2は,Metから始まり,疎水性に富んだシグナルペチドを保持したまま成熟型となる特異な蛋白でchicken ovalbuminに最も近いホモロジーを示すserine protease in-hibitors(serpins)の一員である.PAI-2による,マクロファージ,好中球の機能を抑制作用,さらに移植片の拒絶反応の抑制作用なども観察されている.
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