特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の検査
1.血小板の検査
2)血小板凝集能
松野 一彦
1
Kazuhiko MATSUNO
1
1北海道大学医療技術短期大学部
pp.69-72
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903079
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測定の意義
血小板は刺激を受けると,種々の生化学的反応を介して,血小板膜に存在する糖蛋白GPIIbとGPIIIaが複合体を形成し,そこにフィブリノゲンが結合することによって,血小板間に架橋が形成される形で,血小板凝集が起こる.これは血小板凝集塊を形成することによって,出血の際の一次止血に重要な役割を果たす.
したがって,先天的に血小板機能異常のある血小板無力症やBernard-Soulier症候群などの診断には血小板凝集能の測定は必須である.また,血栓症,特に動脈血栓症の発症に血小板が関与していると考えられており,現在脳梗塞の再発予防などの治療に抗血小板剤が用いられている.したがって,生体内の血小板活性化の把握や抗血小板剤治療の選択およびモニターにも血小板凝集能測定が用いられている.
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