今月の主題 ニューロパチーの臨床検査
総説
軸索変性の電気生理学
馬場 正之
1
Masayuki BABA
1
1弘前大学医学部附属脳神経疾患研究施設臨床神経部門
キーワード:
神経伝導検査
,
軸索変性
,
脱髄
,
再生神経
,
神経伝導速度
,
M波
,
複合神経電位
Keyword:
神経伝導検査
,
軸索変性
,
脱髄
,
再生神経
,
神経伝導速度
,
M波
,
複合神経電位
pp.771-778
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902964
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軸索変性はほとんどすべてのニューロパチーに普遍的にみられる病態である.脱髄が主病変である疾患においてさえ,患者の予後は軸索変性の寡多によって左右されることが多い.したがって,軸索変性の程度を診断することは臨床的に大変重要である.軸索数の減少は複合神経(筋)電位の振幅低下を生む.伝導速度は不変の場合が多く,低下する場合でも正常下限の20%ないし25%止りである.再生神経の伝導速度はきわめて遅いが,軸索直径と髄鞘厚の増大につれて正常化する可能性がある.また,遠位性軸索変性は障害神経遠位部での検査ほど異常所見が増強するという特徴を持つ.神経最末端部の伝導ブロックはしばしば軸索変性に似た所見を呈するので,注意が必要である.〔臨床検査 40:771-778,1996〕
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