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含浸標本(プラスティネーション)作製法
三宅 康之
1,2
1川崎医科大学附属病院病院病理部
2川崎医科大学現代医学教育博物館
キーワード:
含浸標本
,
プラスティネーション
,
シリコンゴム
Keyword:
含浸標本
,
プラスティネーション
,
シリコンゴム
pp.343-345
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902864
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医学教育用あるいは博物館展示用の病理肉眼標本には種々のものがある.もっとも一般的な標本として知られているのは,液体の中に臓器をおさめた液浸標本であるが,この標本は視覚的に観察するのみで臓器を直接手に持って観察することはできない.そこで直接臓器に触れることができる唯一の博物館標本として,含浸標本(プラスティネーション)が考案された1,2).本稿では病理肉眼標本作製法の中で最近次第に普及しつつあるこの含浸標本について解説する.
含浸標本(プラスティネーション)とは臓器の水分や脂肪分を取り除き,代わりに柔らかいシリコンゴムを浸透させたものである.この方法は1979年にvon Hagensら3)によって考案され,現在まで,いろいろな方法が発表されてきた.しかし,いずれの方法もシリコンゴムの浸透をよくするために-20~-30℃の低温下での作業を余儀なくされ,さらに,シリコンゴムを硬化させるためにケイ酸塩を含んだガスで処理する装置とそのガスを無毒化する特殊な設備が必要であった.そこでわれわれは1990年に特殊な設備を必要としない含浸標本作製法を考案し発表した4)ので,ここではこの方法を紹介する.
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