特集 免疫組織・細胞化学検査
抗原の種類による応用例
1.病原微生物
1)ウイルス
椎名 義雄
1
,
郡 秀一
1
,
飯島 淳子
1
,
広川 満良
2
,
三宅 康之
3
Yoshio SHIINA
1
,
Shuichi KOHRI
1
,
Junko IIJIMA
1
,
Mitsuyoshi HIROKAWA
2
,
Yasuyuki MIYAKE
3
1杏林大学保健学部細胞診断学教室
2川崎医科大学病理学教室
3川崎医科大学附属病院病院病理部
pp.88-91
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902677
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はじめに
ウイルス感染症の確定診断は病原体の分離同定であるが,経済性や時間的制約から本法を臨床診断に応用することは困難である.そのため,簡便な方法として血清抗体価を調べる種々の方法に加え,近年免疫学的抗原検出法やDNA診断が急速な進歩を遂げている.
一方,病理・細胞診の分野におけるウイルス感染症の診断には,古くから蛍光抗体法が応用され,現在に至ってもそれは必須な方法である.しかしながら,抗原の存在を確認するだけでなく,感染細胞における封入体や核内構造などの形態学的変化を同時に観察したい場合は酵素抗体法が優れている.また,近年既知のDNAプローブを用いたin situ hybrydization法も普及し,手軽に応用可能なキットの入手も容易になり,今後幅広い分野での応用が期待される.
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