今月の主題 抗体蛋白
免疫グロブリンの基礎知識
免疫グロブリンの糖鎖構造
中田 宗宏
1
,
水落 次男
1
Munehiro NAKATA
1
,
Tsuguo MIZUOCHI
1
1東海大学工学部生命化学教室
キーワード:
N―グリコシド型糖鎖
,
慢性関節リウマチ
,
糖鎖異常
Keyword:
N―グリコシド型糖鎖
,
慢性関節リウマチ
,
糖鎖異常
pp.636-642
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902496
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免疫グロブリンG (IgG)はFc部位に2つの二本鎖複合型糖鎖を持つ.糖鎖は,IgG分子の立体構造の維持だけでなく,抗体が持つエフェクター機能にとって重要な働きをしている.IgGの糖鎖パターンは,IgG産生細胞のクローンごとに異なることが示された.一方,慢性関節リウマチ患者や自己免疫疾患マウスのIgGでは,ガラクトースを欠くという糖鎖構造異常が起きていることが明らかとなった.IgGの糖鎖を調べることは,免疫系に異常をきたす疾患の病因解明や検査法の開発に有効であることが示された.〔臨床検査39:636-642,1995〕
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