今月の主題 薬物検査
話題
GST-π
高山 哲治
1
,
高橋 康雄
1
,
新津 洋司郎
1
Tetsuji TAKAYAMA
1
,
Yasuo TAKAHASHI
1
,
Yoshiro NIITSU
1
1札幌医科大学内科学第四講座
キーワード:
GST-π
,
抗癌剤耐性
,
耐性克服
Keyword:
GST-π
,
抗癌剤耐性
,
耐性克服
pp.450-453
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902441
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1.はじめに
Glutathione S-transferases (GSTs)ファミリーは,細胞の中に豊富に存在するGlutathioneを利用し,生体外,あるいは生体内で生じた毒性物質を中和する酵素である.これまで,少なくとも4種類のα,μ,π,θなどと呼ばれるアイソザイムグループが同定されている.一方,GST-πは,癌組織でしばしば正常な組織に比べて発現が高まっていることもよく知られているところである.また最近では,癌組織における抗癌剤耐性の獲得にきわめて重要な意義を持っていることも明らかにされつつある.そこで本稿では,GST-πの癌細胞における発現の増強,抗癌剤耐性への関与,およびGST-πを標的とした耐性克服の試みについて最近の知見を述べてみたい.
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