特集 ホルモンと生理活性物質
各論
9.膵ホルモン系
1)インスリン
橋本 尚武
1
,
牧野 英一
2
Naotake HASHIMOTO
1
,
Hideichi MAKINO
2
1千葉大学医学部内科学第2
2千葉大学医学部内科
pp.188-191
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902220
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生合成・分泌・機能
1.生合成
インスリン(insulin)は21個と30個のアミノ酸から成るA鎖とB鎖がA7―B7, A20―B19の2か所のシステイン間にS-S結合した分子量約5,700のペプチドホルモンである.A鎖内には別にA6―A11間にもう1つのS-S結合が存在する.その生合成は膵ランゲルハンス島細胞内で行われるが,その過程は他の分泌蛋白質と同様DNAの情報からmRNAに伝えられ,前駆体から蛋白分解のプロセッシングを受けて合成される(図1).
ヒトインスリン遺伝子は第11染色体短腕上にあり,約1430塩基対で3つのエクソン,2つのイントロンから成る.インスリンのmRNAは粗面小胞体で翻訳され110個のアミノ酸から成る分子量約11,500のプレプロインスリンが合成され,すぐにN末端の23個のプレペプチドであるアミノ酸がとれプロインスリンとなる(図2).
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