今月の主題 臨床検査の効率性をめぐって
巻頭言
臨床検査の効率性と病院検査部のリストラ
河合 忠
1
Tadashi KAWAI
1
1自治医科大学臨床病理学教室
pp.989-990
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902084
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わが国の医療行政を振り返ってみると,1960年代までは医療の供給を改善するための政策が重視されて国民皆保険制度が確立され,1970年代は医療の質を改善するための政策が進められて大きな効果を上げたが,1980年代は増大する医療費に対して医療の費用効率を考えた政策がとられ,そして1990年代には本格的に21世紀に向けての医療のあり方が問われている.
1993年の社会保険給付費は国民所得の約16.3%,約59兆円で,年金,医療,福祉の割合がほぼ5:4:1である.しかし,今年3月に厚生省がまとめた「21世紀福祉ビジョンー少子・高齢社会に向けて」によると,2025年には社会保険給付費は国民所得の28%,約375兆円に達し,その内容は5:3:2の割合となると予想している.すなわち,福祉の占める割合が大きく伸びると考えられる.
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