今月の主題 周術期の検査
耐術能検査
肺機能検査
西尾 和三
1
,
川城 丈夫
2
Kazumi NISHIO
1
,
Takeo KAWASHIRO
2
1国立療養所東埼玉病院内科
2国立療養所東埼玉病院
キーワード:
耐術能検査
,
肺機能検査
,
スパイロメトリー
Keyword:
耐術能検査
,
肺機能検査
,
スパイロメトリー
pp.288-289
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901895
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1.はじめに
術前の患者の状態を把握することは,手術に対する危険性および術後の経過を判断するための重要な診療行為である.呼吸器疾患は心疾患と比較すると,手術そのもののリスクとなることは少ないが,手術後の呼吸器合併症はしばしば見られ,中には致命的となる場合もある.このような手術に伴う危険性は,患者の状態すなわち術前の呼吸器合併症の有無,肺機能障害の程度,喫煙習慣の有無,年齢,肥満度などと,手術のタイプの両方に依存している1)(表1).一般に,胸部および上腹部の手術で術後合併症の頻度が特に高く,また閉塞性換気障害を伴う症例は拘束性換気障害を伴うものに比べてリスクがより高いことが知られている2).
最も広く用いられている検査項目は,%VC,FEV1.0,FEV1.0%,MVVなどであり,最近は血液ガス分析,肺血管抵抗測定なども行われるようになってきている3)(表2).以下にその概要を述べる(表3).
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