特集 遺伝と臨床検査
IV HLAタイピング
2.抗体を用いる方法
関口 進
1
Susumu SEKIGUCHI
1
1防衛医科大学校検査部
pp.206-210
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901308
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1951年にフランスのドセー博士が初めて白血球抗原分類の方法として白血球凝集反応の手技を開発して以来,1957年以後アメリカのペイン博士,オランダのファン・ルード博士らが現在のHLA-A,-B座抗原分類の先駆けを作り,アメリカのエイモス博士,テラサキ博士が現在最も多く使われているLCT(lymphocyte cytotoxicity test;リンパ球細胞毒試験)を開発した.さらにテラサキ博士がこれを微量化し,ウサギ血清を補体として使用したので,感度も向上し,多量の検体が検査可能となり,全世界で広く用いられるようになり,WHO,NIH標準法となった.この手技は後述のごとく臓器移植のための組織適合性検査のみでなく,クロスマッチテスト,抗体スクリーニングなどにも応用され今日に至っている.その他疾患感受性,親子鑑定,人類遺伝学にと多くの分野で応用されていることは言うまでもない.
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