トッピクス
高速三次元CTの臨床応用
小林 尚志
1
,
松枝 清
1
,
青木 祐子
2
,
堀越 英孝
2
1茨城県立中央病院・地域がんセンター放射線科
2日立メディコ
キーワード:
三次元CT
,
CT内視鏡
Keyword:
三次元CT
,
CT内視鏡
pp.1025-1027
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901219
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1.高速CTスキャンのしくみ
従来のCT撮影法では,患者の身体を1秒に1cmずつ移動させながらいったん停止させ,通常2秒で全周を1回撮影する.このようにして10cmの区間を10枚の写真に撮り,できあがった人体の水平断面像を基にCT診断を行っていた.今回新しく開発された高速CTスキャン(HITACHICT W-2000 Volume Scan)では,撮影管を全周に連続回転させながら,同時に患者を寝台ごとノンストップで撮影ガントリー内に移動させ,連続撮影が可能となった.
自験の250例のほとんどは寝台を5mm/秒でノンストップ移動し,全周を1回転1秒のスピードで連続撮影した.さらに,画像として写真に出す間隔は2mmとし,従来のCTの5倍の精密さで情報を収集した.この新しいスキャン法では20秒で10cmを撮影終了することになり,撮影時間は従来の1/3~1/9に短縮される.従来の方法を「大根切り」とするなら,新スキャン法は「リンゴの皮むき」のようならせん状の撮影法といえよう.
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