技術講座 血清
抗DNA抗体の検査法
酒井 寛
1
,
片山 善章
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.44-48
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900007
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サマリー
自己免疫疾患は,自己組織に対する免疫応答が成立し,その結果として産生される自己抗体,活性化リンパ球などにより体成分が攻撃されて組織障害を起こす疾患で,組織特異抗体による臓器特異性自己免疫疾患と多様な自己抗体によって起こる膠原病(結合組織疾患)に分類される.これら自己抗体の中で抗DNA抗体はSLEをはじめとする膠原病で検出され,疾患活動性,疾患特異性の点で診断的意義は高く,免疫複合病の病因論のモデルとして研究されている.また,抗DNA抗体は多様な交叉反応性を持ち,抗DNA抗体の対応抗原については未解決の部分も多い.
本稿では抗DNA抗体の測定法を概説し,抗DNA抗体測定の臨床的意義および抗DNA抗体の多様性について解説した.
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