特集 アレルギーと自己免疫
II.アレルギー疾患
3.アレルギー疾患と検査
3)皮膚アレルギー
(1)蕁麻疹
高路 修
1
,
山本 昇壯
1
Osamu KORO
1
,
Shosoh YAMAMOTO
1
1広島大学医学部皮膚科学教室
pp.104-105
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900816
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■病態
蕁麻疹は,一般的には掻痒とともに限局性発赤を伴う膨疹として現われ,数時間後には跡形もなく消退する一過性の限局性浮腫である.その膨疹は真皮上層の血管透過性の亢進によって生ずる.血管透過性亢進は種々の化学伝達物質によって惹起されることが知られているが,通常の蕁麻疹ではヒスタミンが最も重要な役割をもっていることは疑いのないところである.
皮膚におけるヒスタミンの大部分は,真皮上層部の血管周囲に多く存在している肥満細胞中のt顆粒に貯蔵されている.肥満細胞は種々の刺激により,ヒスタミンその他の化学伝達物質を遊離するが1),その刺激はアレルギー性のものと非アレルギー性のものに大別される,アレルギー性の場合は,多くはレアギン(主としてIgE)の関与するI型アレルギー反応であるが,III型アレルギー反応に伴う補体の活性化によって産生されるアナフィラトキシンが関与している場合があることも知られている.非アレルギー性の場合には,物質あるいは刺激が直接肥満細胞に対して化学伝達物質遊離因子として作用する.
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