わだい
金属ポルフィリン―金属ポルフィリン挿入反応の触媒反応
田端 正明
1
Masaaki TABATA
1
1佐賀大学理工学部
キーワード:
ポルフィリン
,
反応機構
,
鉛中毒症
Keyword:
ポルフィリン
,
反応機構
,
鉛中毒症
pp.1570-1571
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900379
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ポルフィリンは生物の生命維持に重要な鍵を握る化合物の一つである.しかも,ポルフィリンの多様な生体内での機能のために,ポルフィリン生成の異常に由来する病気の診断法として,尿や血液中のポルフィリンの分析が使われている1).また最近はポルフィリンの癌細胞への選択的濃縮が話題になっており,癌の光化学治療も行われるようになった.しかし,金属ポルフィリンの生成の異常がなぜ起きるか,あるいは癌細胞へのポルフィリンの集積のメカニズムは研究の緒に着いたばかりである2).ここでは,実験室での溶液内の金属ポルフィリンの生成の反応機構を紹介し,その立場から生体系での反応機構の一部に触れる.
生体系でのヘムの合成の最終段階はプロトポルフィリンIXへの鉄(Fe)(II)の挿入であり,フェロキレターゼによって触媒される.
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