特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
総論
1 代謝と生理
3)カリウム(K)
水越 洋
1
Hiroshi MIZJUKOSHI
1
1東京織物健康保険組合診療所
キーワード:
体内分布
,
血清K値
,
細胞内外のKの移動
,
K排泄の調節
,
髄質内循環
Keyword:
体内分布
,
血清K値
,
細胞内外のKの移動
,
K排泄の調節
,
髄質内循環
pp.1287-1293
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900315
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はじめに
カリウム(K)は主として細胞内に存在する陽イオンであり,平均約150mmol/lの濃度で細胞内陽イオンの大部分を占める.一方,血清K濃度の正常値は3.5~5.0mmol/lの範囲内にあり,細胞内濃度に比して極めて低値である.この濃度差と細胞膜のKに対する高い透過性によって,静止膜電位が維持されている.Kはこの膜電位を介して細胞の機能,特に神経,筋の機能に重要な影響を与える.またKは種々の酵素作用に必須であり,蛋白合成,グリコーゲン合成などに重要な役割を果たしている.
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