今月の主題 集中治療室での検査
巻頭言
集中治療室はいま
都築 正和
1,2
Masakazu TSUZUKI
1,2
1東京大学医学部附属病院手術部
2救急部
pp.773-774
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900197
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集中治療―Intensive Care―とは今日ではすっかり定着した概念となっている.現在の医療,ことに高度医療が行われている医療施設においては「集中治療室―ICU」なしには高度の医療そのものが成り立たなくなっている.集中治療室が本邦で誕生してからすでに30年以上が経過した.このような歴史を経た現在,その建築施設,機器,組織,人員構成,運営などはすっかり安定した状況となっていると思われるかも知れないが,事実はいまだに多くの問題点を抱えている.
これらの諸項目の中で,建築,設備,機器などのハードウエアについては世界のどこに出しても恥ずかしくない一流のものが備えられ使用されている.いくつかの例を挙げれば,循環器系モニター(中にはコンピューター化されたものもある),不整脈監視装置,高度の機能を持つ人工呼吸器とその使用に必要な医療ガス配管システム,迅速検査機器などが挙げられるし,最近ではこれらをシステム化し病院全体の医療情報と連携することも実用化の域に達している.一例を,きわめて重症でICUに収容・治療されている患者の検査に例をとってみると,最近の迅速検査機器,例えば緊急用生化学検査機器,血液ガス分析機器などを使用し,それらのデータをコンピューターによってオンライン処理することによって最適な治療を迅速かつ的確に行うことができる.これらの詳細な内容はこの特集でいくつかの専門分野に分けて述べられる.
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