今月の主題 フローサイトメトリー
話題
核内DNA量および表面抗原の同時測定
加藤 栄史
1
,
髙本 滋
1
Hidefumi KATO
1
,
Shigeru TAKAMOTO
1
1東京都立駒込病院輸血科
キーワード:
DNA量
,
表面抗原
,
二重染色
,
フローサイトメトリー
,
FCM
Keyword:
DNA量
,
表面抗原
,
二重染色
,
フローサイトメトリー
,
FCM
pp.715-717
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900179
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1.はじめに
近年,フローサイトメトリー(FCM)は細胞の表面抗原やDNA量の分析に広く用いられている.表面抗原の検索はリンパ球亜群の分析に,また造血器腫瘍ではCALLAなどの"腫瘍関連抗原"の検出に非常に有用となる.一方,DNA量の検索は細胞回転の分析および腫瘍特異的マーカーであるDNA異数体(DNA aneuploidy;DA)の検出1)に有用である.もし細胞表面抗原とDNA量の同時測定が可能となれば腫瘍細胞の同定,検出率の向上だけでなく,腫瘍細胞の生理学的特徴の検索,すなわちCALLA陽性細胞群のみの細胞回転の分析や,逆にDAを示す細胞のみの表面抗原の分析などに非常に役だつ2).
FCMによる細胞表面抗原およびDNA量の同時測定に関しては,これまでリンパ球を対象とした報告が多少見られるが2~4),非特異反応の出現などの問題点が指摘されており,われわれも一部4)追試を行ったが満足な結果は得られなかった.本稿ではこれら2つの同時測定に関し,われわれの基礎的実験結果を中心に,臨床応用も含めて話を進める.
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