今月の特集2 日常診療に潜む再興感染症
扉
関谷 紀貴
1
1東京科学大学病院感染症内科
pp.1483
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203811
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新型コロナウイルス感染症の流行により,新興・再興感染症対策の見直しが注目を集めています.特に,かつて世界的もしくは特定の国で健康問題となり,劇的な減少を経て再び問題となった再興感染症は,日常診療で出会う機会も十分想定されます.
今回の特集は,近年問題となった再興感染症の基本的な特徴を理解し,標準的な診断検査を含めた診療マネジメントの質向上に役立てることを目的としています.
性行為感染症では,国内では2010年以降増加し減少が得られていない梅毒,2022年以降世界的な増加を認め二度のPHEICが宣言されたエムポックスについてご解説いただきました.また,過去の大きな流行から罹患率が減少した一方で今後の再増加に注意を要する結核と麻疹,国内流行があったものの現在は輸入感染症としての側面が中心のデング熱と狂犬病について,ポイントを分かりやすく整理していただいています.本特集が,代表的な再興感染症への理解を深める一助となれば幸いです.
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