今月の特集2 感染症教育と微生物検査
扉
関谷 紀貴
1
1東京科学大学病院感染症内科
pp.977
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690090977
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微生物検査室は感染症診療の要であり,感染症教育と密接に関わる存在です.学生や初期研修医に対するGram染色指導に加え,感染症専攻医やフェローに対する,より広範な微生物検査教育の重要性も増しています.また,他職種に対しても適切な検査オーダーや検体採取に関する教育が求められます.若手臨床検査技師には,検査の組み立てに必要な感染症診療の基礎知識習得も期待されています.
本特集は,微生物検査室内外で求められる感染症教育の実際を学び,各職種との円滑なコミュニケーション促進や,微生物検査の質向上に役立てることを目的としています.
まず,感染症臨床における微生物検査の位置付けと教育の意義について概説いただきました.続いて,検体採取に関連する他職種教育,血液培養の教育と実践,さらに学生・初期研修・感染症専門研修における教育の取り組みを紹介しています.最後に,臨床検査技師に対する臨床感染症教育についてご紹介いただきました.感染症診療に立脚した臨床微生物学教育の充実に向けて,本特集が一助となれば幸いです.

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