今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策
扉
関谷 紀貴
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1がん・感染症センター都立駒込病院感染制御科・臨床検査科
pp.1331
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202199
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地震,津波,豪雨後の水害などが繰り返し発生するなか,大規模自然災害後の感染症対策は公衆衛生上の重要課題として認識されています.東日本大震災の教訓を契機に,現場で必要な対策や注意すべき問題点に関する情報は,以前と比較して入手しやすくなったといえます.一方,日常的に活用される知識ではないため,継続的な啓発・教育活動や知識の共有は不可欠です.
今回の特集は,大規模自然災害後の感染症の特徴,対策上の注意点,対応の実際に関する理解を目的としています.
前半部分は,発災後の感染症に関する全体像,被災地の特性を踏まえた感染症リスク評価と具体的な対策のポイント,ワクチンの役割に関する知識をバランスよく整理できる内容です.また,感染症関連検査の項は,臨床検査技師として知っておきたい実務上の注意点,期待される役割を理解するうえで大変有用です.後半部分の具体的な対応事例は,ご自身が実際に被災した場合に何ができるのか,事前想定の材料として役立てていただければ幸いです.本特集が,先を見越した冷静な対応に向けた一助となるよう願っております.
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