今月の特集 中枢神経系感染症アップデート
扉
関谷 紀貴
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1東京医科歯科大学病院感染症内科・感染制御部
pp.1317
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203469
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中枢神経系感染症は,肺炎球菌に代表される細菌性髄膜炎,単純ヘルペスに代表されるウイルス性髄膜炎・脳炎が広く知られています.一方,デバイス挿入や免疫抑制を伴う治療の発展と進歩により,想定鑑別に挙がる微生物は幅広いものとなっています.
今回の特集は,診療機会が多い市中発症の中枢神経系感染症から,医療関連感染症の側面を有する多様な原因微生物による感染症まで,その特徴,診断において必要となる知識の整理を目的としています.
初めに,市中発症で一般的な細菌,結核,ウイルスに加えて,小児の中枢神経感染症についてご解説いただいています.次に,デバイス関連,造血幹細胞移植患者・固形臓器移植患者・HIV感染者における中枢神経系感染症について,平時では鑑別に挙がりにくい微生物も含めご紹介いただいています.続いて診断手法の進歩として欠かせない遺伝子検査,最後に確定診断の砦ともいえる病理検査について,重要かつ示唆に富む内容で締めくくられています.中枢神経系感染症診療の質向上に向けて,本特集をご活用いただければ幸いです.
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