今月の特集2 人工物感染症
扉
関谷 紀貴
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1東京医科歯科大学病院感染症内科・感染制御部
pp.167
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203522
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感染症診療において,人工物が関与する感染症はマネジメントに難渋することが少なくありません.また,長期間の抗微生物薬投与を要する場合が多く,感染の持続,起因菌の耐性化,バイオフィルムの関与など,臨床現場とコミュニケーションを行ううえで医師と臨床検査技師が共有しておくべき知識も幅広いものとなります.
今回の特集は,人工物感染症の特徴とマネジメントの基本を学び,治療に難渋した場合のディスカッションをより有意義なものとするため,基礎知識を整理し役立てることを目的としています.
初めに,医療関連感染症において頻度が高いカテーテル関連血流感染症/尿路感染症についてご解説いただいています.次に,頻度は下がるものの難治例では患者予後に大きな影響を与えうる中枢神経系/心血管系の人工物感染症について,最後に高齢者に多い人工関節感染症,乳癌患者で問題になる乳房再建術後の人工物感染症についてご紹介いただきました.人工物感染症診療の質向上に向けて,本特集をご活用いただければ幸いです.
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