増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
4章 凝固
—FDPやDダイマーの上昇—採血不良
高田 章美
1
1公益財団法人天理よろづ相談所病院臨床検査部
キーワード:
フィブリノゲン/フィブリン分解産物(FDP)
,
Dダイマー
,
可溶性フィブリン
,
SF
,
採血手技
,
偽高値
Keyword:
フィブリノゲン/フィブリン分解産物(FDP)
,
Dダイマー
,
可溶性フィブリン
,
SF
,
採血手技
,
偽高値
pp.1244-1247
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203146
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はじめに
フィブリノゲン/フィブリン分解産物(fibrinogen/fibrin degradation products:FDP),Dダイマーは播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)や血栓症などのさまざまな疾患において高値を示す.しかし,まれに患者の病状や時系列結果から考えにくい検査値の上昇がみられ,偽高値を疑う症例に遭遇することがある.その原因として,採血手技の不備によるクエン酸ナトリウム(sodium:Na)血漿検体(以下,検体)の凝固による影響があり,まれであるが免疫学的測定の非特異反応による関与も考えられる.特に,凝固検査においては血液が凝固した検体での測定は不適切であることは周知の事実であり,検体が適切であると判断することが重要である.
本稿では,採血手技によるFDP,Dダイマー偽高値の原因や対処方法について紹介する.
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