増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
3章 検査プロセス
フィブリノゲン(Fbg)
鈴木 敦夫
1
1名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
キーワード:
Clauss法
,
トロンビン時間法
,
フィブリノゲン異常症
Keyword:
Clauss法
,
トロンビン時間法
,
フィブリノゲン異常症
pp.969-973
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209091
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はじめに
フィブリノゲン(fibrinogen:Fbg)は,3つのポリペプチド(Aα鎖,Bβ鎖,γ鎖)から成るヘテロ3量体が重合してダイマーを形成した6量体〔(AαBβγ)2〕で,分子量約340 kDaの糖タンパク質である.肝実質細胞で合成され,循環血漿中あるいは血小板α顆粒中に含まれる.血中半減期はおよそ3〜4日である.Fbgは極めて多様な機能をもつが,凝血学的には一次止血および二次止血の両者において極めて重要な働きを有する.特に,Fbgからフィブリンへの転化は二次止血(血液凝固反応)において最終段階を担う反応であり,生体の止血能を評価するうえでは重要なスクリーニング検査項目のうちの1つである.
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