増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
3章 フローサイトメトリー
標識蛍光色素選択やコンペンセーションの注意点
小川 恵津子
1
1日本ベクトン・ディッキンソン株式会社バイオサイエンス事業部
キーワード:
蛍光色素
,
コンペンセーション
,
タンデム色素
,
スプレッド
Keyword:
蛍光色素
,
コンペンセーション
,
タンデム色素
,
スプレッド
pp.1164-1167
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203126
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はじめに
フローサイトメーターと蛍光標識モノクロナール抗体が市販化されてから40年近く経過している.当初はフルオレセインイソチアネート(fluorescein isothiocyanate:FITC)とフィコエリスリン(phycoerythrin:PE)による2カラー解析が主流であったが,その後,新しい蛍光色素が次々と開発され,造血器腫瘍細胞タイピングにおいてはマルチカラー化が進み,測定精度が飛躍的に向上している1).とりわけ,治療後の寛解状態を把握するために有効である微小残存病変の測定では,高感度検出が必要であるため,フローサイトメトリー法による6カラー以上のマルチカラー解析が推奨されている2,3).
本稿では主に造血器腫瘍細胞タイピングに使用されている標識蛍光色素の特徴と,パネル作製時に考慮すべき蛍光補正や蛍光染色パターンの広がり(スプレッド)について解説する.
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