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Fluorescent Antinuclear Antibody(FANA)のSLE特異性に及ぼす蛍光色素標識抗体の影響
道林 勉
1
,
佐藤 和昭
1
,
木田 孝
1
,
黒川 一郎
1
1札幌医科大学附属病院検査部
pp.450-452
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913304
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はじめに
血中抗核抗体は,細胞の核を構成する種々の抗原物質に対する流血中の自己抗体群1〜4)で,蛍光抗体間接法で検出される抗核抗体(fluorescent antinuclearantibodies;FANA)は,全身性エリテマトーデス(SLE)に比較的特異性が高いと言われるが,non-SLEの各疾患でもしばしば検出され5),日常診療で時折途惑いを感じることがある.FANAは主としてIgGクラスに属していると言われ,IgMやIgAクラスのものもあるが,その出現頻度は低いようである6〜9).FANAの検出には,一般に,FITC標識抗ヒトイムノグロブリンが使用されているが1〜3),最近,培養細胞を核剤として,FITC標識抗ヒトIgGを使用した蛍光抗体法もみられるようになった10).
本稿では,核材としてニワトリ赤血球を用い,上述の両標識抗体で血中FANAを検出し,それらの成績を比較検討した結果,興味ある成績が得られたので報告したい.
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