Japanese
English
増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
8章 心内構造物
感染性心内膜炎
Infective endocarditis (IE)
山本 将司
1
1第二大阪警察病院臨床検査科
pp.506-514
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202982
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
基礎知識
感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)は全身性敗血症性疾患である.弁や心内膜,心臓デバイスに細菌集簇を含む疣腫(vegetation)を形成し,菌血症,心障害,血管塞栓などの多彩な臨床症状を呈する.IEは通常何らかの基礎心疾患(背景心疾患)をもつ例に発症することが多い(表1).自己弁に生じたIEの55〜75%は弁膜症や先天性心疾患などの基礎心疾患を有するか,あるいは静注麻薬の使用例である1).IEの原因菌は,わが国の先天性心疾患を対象とした多施設調査解析結果2)によるとレンサ球菌(Streptococcus属)が51%と最も多く,次いでブドウ球菌(Staphylococcus属)が37%と多い.IEを発症すると致死的合併症をきたして重篤な転帰をたどる場合があるため,早期診断が求められる.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.