検査説明Q&A・41
マラリアが疑われる場合,どのようなことに気をつけて検査を行えばよいですか?
菅沼 明彦
1
1新古賀病院総合診療科
pp.203-208
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201890
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■疫学
マラリアは現在に至るまで,人類に甚大な被害をもたらしており,結核,ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染症と並んで3大感染症の1つとされている.2016年の世界保健機関(World Health Organization:WHO)の報告によると,マラリアの発症者は2億人以上に達し,約45万人が死亡に至っている.91カ国において国内感染例が報告され(図1)1),サハラ以南のアフリカ諸国およびインドの15カ国が全体の80%を占めている2).死亡例の90%以上は,サハラ以南のアフリカ諸国である.
国内では,戦前まで年間2万人の国内感染例が報告されていたが,1960年ごろには,土着のマラリアは消滅している3).
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