検査説明Q&A・34
抗微生物薬を投与するにあたって,治療薬物モニタリング(TDM)が必要なのはどのような薬剤ですか?
池谷 修
1
1慶應義塾大学病院薬剤部・感染制御部
pp.342-346
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201542
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■治療薬物モニタリング(TDM)
一般に,薬物の効果・副作用と最も相関する因子とされるのが,薬物の体内における濃度推移(曝露量)である.そこで,薬物の体内における血中濃度を測定して,その効果を確実にし,副作用を回避するために行われるのが治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)である1).わが国においては,1980年に臨床現場でTDMに対する診療報酬が認められて以来,すでに約40年近くが経過し,個々の患者への薬物療法の最適化を行う技術として発展してきた.現時点で,TDMの診療報酬が認められている抗菌薬と抗真菌薬は3薬効分類,7薬剤である(表1).
本稿では,日常の臨床検査業務に必要な抗微生物薬のTDMの知識について解説する.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.