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今月の特集2 実は増えている“梅毒”
梅毒の疫学—歴史と現在の遺伝子解析から
Epidemiology of Syphilis:from historical and molecular perspectives
早川 直
1
,
早川 智
2
1埼玉医科大学医学部
2日本大学医学部病態病理学系微生物学分野
キーワード:
梅毒トレポネーマ
,
コロンブス交換
,
SS14株
,
マクロライド耐性
,
ダイレクト・シーケンス
Keyword:
梅毒トレポネーマ
,
コロンブス交換
,
SS14株
,
マクロライド耐性
,
ダイレクト・シーケンス
pp.162-167
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201509
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Point
●梅毒の原因となるTreponema pallidumは,15世紀末に新大陸からヨーロッパにもたらされ,20年の間に東アジアまでパンデミックとなった.
●梅毒はペニシリンの発見後,減少していたが,過去10年の間に世界的に再流行している.わが国でも過去5年間,毎年倍増しており,年間届け出患者数は5,000人近くに達する.
●最近の患者数の増加は,若年女性の異性間性交渉によるものが多く母子感染の直接的な要因となる.
●最近の流行株は古典的なNichols株からマクロライド耐性を有するSS14株に置き換わっており,ペニシリンアレルギー患者(特に妊婦)の治療には再考を要する.
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