増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part3 フィジカルサイン&病態で読み解く呼吸器疾患
2.拘束性換気障害
神経筋疾患—重症筋無力症を中心に
高谷 恒範
1
1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部生理循環機能検査室
pp.1291-1297
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201403
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はじめに
拘束性肺疾患の解剖生理学的特徴は,肺組織や胸郭の柔軟性が消失し硬くなり,空気を十分に吸気できなくなることです.肺機能検査上では,肺活量(vital capacity:VC),1回換気量(tidal volume:TV),残気量(residual volume:RV)などの減少があり,各肺気量分画の減少のため,全肺気量(total lung capacity:TLC)も減少します.フローボリューム曲線は,ピークフロー(最大呼気流速)の低下と,その後の急峻な下降カーブを示します.拘束性肺疾患には,肺疾患のみならず,胸膜,胸郭,呼吸筋および横隔膜の疾患など多種多様の疾患が含まれます(表1).
本稿では,肺以外因子に由来する拘束性換気障害,特に,神経筋疾患について解説します.
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