検査レポート作成指南・15
細胞診断編
小松 京子
1
,
山田 麻里沙
1
,
藤山 淳三
1
1公益財団法人がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
pp.1484-1492
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201035
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16世紀に,組み合わせレンズを使用した顕微鏡が発明された.17世紀には細胞の観察による報告がなされ,cellという用語が初めて用いられた.細胞が腫瘍診断へ応用され始めたのは19世紀になってからであり,1928年,PapanicolaouがNew Cancer Diagnosisを発表したのが近代細胞診断学の発展の始まりと考えられる.わが国では1962年に日本臨床細胞学会が発足し,1968年に最初の細胞診専門医が,1969年には最初の細胞検査士が認定され,現在約2,000名の専門医と8,000名の細胞検査士が病院や検診機関,医師会や検査センターなどで診断業務に携わっている.
剝離細胞診として始まった細胞診断は,擦過細胞診・穿刺吸引細胞診などの応用範囲が広がるとともに報告様式も検討されている.婦人科領域では,より臨床に有用な情報提供をするべく,ベセスダ分類へと移行している.穿刺領域での報告様式は施設によって異なり,陽性・疑陽性・陰性の3段階の分類あるいはPapanicolaouのクラス分類が使用されていることが多いが,分野ごと検討されており,その報告様式は変化しつつある.
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