元外科医のつぶやき・14
手術直後のトラブル
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.236
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200712
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前立腺癌の術後当日は,病室でも体に血圧計やパルスオキシメータなどの各種モニター,フットポンプ,酸素マスクが取り付けられた.さらには,左前腕に点滴ライン,右下腹部に持続吸引ドレーン,そしてフォーレが留置され,管で体中をベッドに縛り付けられた感がした.
20時ごろ,ハルンバッグの尿量が増量していないことに気付いた.術後のため尿意は全くないが,下腹部に手を当てると膀胱が張っている感じがした.そこで,フォーレを手でもみ,下腹部を強く圧迫した.するとフォーレ内に凝血塊が飛び出し,引き続き480mLほどの尿が一挙に流出した.その後は時々,流れ具合を自分自身で確認することにした.
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