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増刊号 微生物検査 イエローページ
Ⅲ章 菌種別の培養・同定方法
嫌気性菌
ディフィシル菌
Clostridium difficile
山本 剛
1
1西神戸医療センター 臨床検査技術部
pp.1384-1389
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200066
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菌の基本情報
1.性状と特徴1〜3)
・偏性嫌気性グラム陽性桿菌である.
・0.5×6〜8μmの周毛性鞭毛を有する.
・芽胞を形成し,莢膜をもたない.芽胞は亜端在性で楕円形(図1).
・糞便は一度アルコールで1時間処理してから培養に用いる.
・培地はCCFA(cycloserine cefoxitin fructose agar)寒天培地やCCMA(cycloserine cefoxitin mannitol ager)寒天培地といった選択培地を使い,嫌気条件下で培養をする.
・培養開始後24時間で微少コロニーを形成し,48時間で3〜5mmの黄色のラフ型集落を形成する(図2).
・集落に紫外線(ultraviolet ray:UV)を照射すると黄色〜黄緑色の蛍光を発する(図3).
・トキシンを産生し偽膜性腸炎を起こす.
・接触感染により院内感染を起こす.
・環境中に長期間(芽胞形成菌は5カ月)4)生存する.
・アルコール消毒は無効である.
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