今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ
扉
岩田 敏
pp.73
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103776
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真菌は,ヒトが生活している環境のなかに広く生息しており,宿主の免疫能が低下した際にしばしば重篤な深在性感染症として発症することがある.また,現代医学のなかで頻用される血管内留置カテーテル関連の血流感染においても,重要な原因微生物の1つとなる.さらに,国際交流が盛んな今日では,輸入感染症としても注目されている.真菌症の診断は鏡検や培養検査が基本となるが,その他にも各種分子生物学的マーカーの測定やPCR法,LAMP法などによる遺伝子診断も,有用な検査法として実用化されている.また,菌種によっては病理組織学的診断が決め手となる場合もある.真菌感染症の治療に関しては,近年抗真菌薬の種類も増えているため,病態や真菌の種類による使い分けが,臨床上重要なポイントとなっている.
本特集では,深在性真菌感染症の検査診断と治療に焦点を当て,真菌の種類ごとにその特徴とポイントについて解説していただいた.
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