今月の主題2 ウイルス性胃腸炎
扉
岩田 敏
pp.57
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103316
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わが国においては,秋から春にかけて,毎年ノロウイルスやロタウイルスによるウイルス性胃腸炎の流行が認められます.ノロウイルスは食中毒の原因としてもよく知られていますが,医療関連施設などにおけるヒト-ヒト感染による施設内流行が問題となる場合が多く,施設内感染防止対策の重点項目となっています.ロタウイルスは小児の胃腸炎の主要な原因であり,毎年多くの乳幼児が入院治療を受けていますが,臨床的には重症の脱水や脳炎・脳症の合併が問題となっています.どちらのウイルスも,吐物や糞便がヒト-ヒト感染の感染源となる点,迅速診断法により診断可能である点が共通していますが,ロタウイルスについては最近ワクチンが導入され,その効果が期待されています.
本号では,ウイルス性胃腸炎の流行期を迎え,その診断と対策を見直すための最新の情報を提供します.
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