特集 はじめよう,検査説明
感染症
10 大動脈弁置換術術後の患者が術後10日目に発熱し,血中β-Dグルカンの上昇が認められた場合,真菌感染症と考えてよいですか?
上蓑 義典
1
,
細川 直登
1
1亀田総合病院総合診療・感染症科
pp.1346-1347
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103657
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1.(1→3)-β-D-グルカン
(1→3)-β-D-グルカン(以下,β-Dグルカン)は,Pneumocystis jiroveciiを含む多くの真菌の細胞壁構成成分である.β-Dグルカンは,1995年わが国で侵襲性真菌感染症(invasive fungal infection;IFI)の検査法として開発された.測定原理としては,カブトガニの血液凝固反応において,β-DグルカンがG因子を活性化し凝固を促進させることを利用し,血中のβ-Dグルカン濃度を測定する.なお,ムコール属やクリプトコッカス属では,β-Dグルカンを含まないので上昇せず偽陰性となる1).
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