検査説明Q&A・39
血中β-D-グルカンが陽性ですが発熱もなく,侵襲性真菌症が考えにくい場合としてどんなものがありますか?
大林 民典
1
1東埼玉総合病院臨床検査科
pp.1638-1640
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201838
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■検体側の要因
偽陽性を呈する場合にはさまざまな要因(表1)が考えられるが,第一に考えなければならないのは検体汚染の問題である.(1→3)-β-D-グルカン(以下,β-グルカン)は環境中にあまねく存在するため,検体採取から容器に移すまでの汚染,容器自体の汚染,検体処理中の汚染の可能性は常にある.検体を採り直して陰性であれば,汚染とみなすことができる.また,現在は前処理法が改良され問題がなくなったが,かつて検体の溶血や高濃度のγグロブリンが偽陽性の原因になっていたこともあり,一応確認しておく.血清分離の段階でフィブリン析出などによりすでに濁りがあれば偽陽性の原因となりうるので,遠心操作を十分行う必要がある.前処理により蛋白を可溶化できていないと思われるときは,過塩素酸などによる除蛋白を考慮する1).
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