特集 はじめよう,検査説明
感染症
6 肺炎患者の喀痰検査を提出したら,喀痰検査の材料として不適当な検体なので再提出をするよういわれました.どうしたらよいのですか?
川上 小夜子
1
1帝京大学医学部附属病院感染制御部
pp.1338-1339
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103653
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
1.なぜ不適当検体なのか
痰は気管,気管支,肺胞の粘膜からの分泌物であり,炎症が起こると分泌量が増加する.下気道感染症では,気道粘膜から剥離した細胞や起因微生物などが含まれるため,微生物検査用検体として使用されている.
しかし,痰として提出された検体のなかには,口腔内から分泌された唾液だけで,下気道からの分泌物が含まれない物もある.このような検体では起因微生物の検査が困難であることから,検査室では下気道から喀出された痰を取り直すように依頼している.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.