特集 はじめよう,検査説明
血液
12 なぜ凝固検査用採血は,クエン酸Naに対する血液量が厳密なのですか?
島津 千里
1
1帝京大学医学部附属病院中央検査部
pp.1248-1249
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103608
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1.凝固反応にはCa2+が不可欠
凝固反応は,セリンプロテアーゼ凝固因子とその補助因子の複合体が未活性化因子を限定分解する連続的な活性化反応であり,カスケード凝固反応と呼ばれる.凝固機序には組織因子依存性に開始される外因系凝固系と,TF非依存性に開始される内因系凝固系がある.
凝固因子は血漿中では不活性型として存在しているが,凝固因子のアミノ酸のγカルボキシグルタミン酸残基にカルシウムイオン(Ca2+)が結合すると活性型に適した構造となり,Ca2+を介して凝固反応の場である陰性荷電リン脂質膜に結合できるようになり,凝固反応の増幅にCa2+は不可欠である.
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