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今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①
ZTT・TTTの異常と病態
The abnormalities of ZTT・TTT and their pathophysiology
金原 清子
1
1虎の門病院臨床検体検査部
キーワード:
膠質反応
,
慢性肝炎
,
急性肝炎
,
免疫グロブリンG(IgG)
,
免疫グロブリンM(IgM)
Keyword:
膠質反応
,
慢性肝炎
,
急性肝炎
,
免疫グロブリンG(IgG)
,
免疫グロブリンM(IgM)
pp.1004-1008
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103534
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■膠質反応は,血清アルブミンの減少,グロブリンの増加を反映している.硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)はγ-グロブリンとよく相関し,チモール混濁試験(TTT)はγ-グロブリンのほか脂質蛋白(リポ蛋白)の増加にも反応する.
■膠質反応は種々の要因により変動するので,診断的価値は高いとはいえないが,慢性肝疾患の発見に有用である.しかし,変動機序に不明な点が多く,測定上の問題もあるため,欧米ではほとんど用いられていない.
■ZTTは主として慢性肝疾患の経過観察および急性肝炎遷延化や再燃の指標として有用性が高い.TTTは急性肝炎,特にA型肝炎で上昇が顕著である.慢性肝炎や肝硬変ではZTT,TTTともに上昇するが,A型急性肝炎(通常,発症第2週から)ではTTTがZTTと解離して上昇することが特徴であり,免疫グロブリンM(IgM)の増加を反映していると考えられている.
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