特集 自動化臨床検査法
化学
ZTT,TTT—硫酸亜鉛混濁試験,チモール混濁試験
水田 亘
1
1神戸中央市民病院臨床病理科
pp.1276-1279
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908295
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1963年日本消化器病学会肝機能研究班によって硫酸亜鉛混濁試験(ZTT)とチモール混濁試験(TTT)との標準操作法が発表された1).この標準化された操作に従って忠実に実施しても,使用器具,比色計の機種の違い,血清と試薬との混合の要領なども測定値の変動の原因となることはすでに周知のことであって,現在なお決定的な標準操作法はないといってもよい.しかし,この標準操作法が自動化できれば比色計の機種差から生じる病院間誤差は避けられないとしても,測定成績の変動要因の大部分を除去できるであろう.
コンティニアスフローシステム(Technicon社)によるZTT, TTTの自動化は数年前に試みられている2).コロイドガラス浮遊液を標準液として,あらかじめ標準液用のフローダイアグラムを組んで検量線を作成しておき,検体の測定には別のフローダイアグラムを利用して実施する.血清検体1つ1つの間に検体の替わりに生理食塩水をはさんで60/時で流す時,検体が標準法の試薬によって60倍に希釈されることになる.正味の反応時間は5分5秒に短縮されている.この方法は用手法とは全く異なる反応形式であるうえに能率,用手法との成績の比較などにおいてなお解決すべき余地を多く残している.ディスクリートシステム自動分析機では用手的測定法をそのままプログラムにのせられる機種も多いので,近時数機種についての操作法,用手法との成績の比較などが発表されている3-5).
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