今月の特集1 尿バイオマーカー
扉
伊藤 喜久
pp.603
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103436
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尿のバイオマーカーは腎前性,腎由来に大別されます.前者は血清由来の低分子蛋白群であり,後者は糸球体,尿細管,集合管から局在分布し,生理,病態変化に伴い分泌,放出される成分から構成されます.近年,プロテオミクス解析をはじめとする方法論の進展に伴い,腎の病態生理異常において出現する新たな成分の同定が詳細に進められて,尿中測定の臨床的意義が拡大してきています.複数のマーカーを組み合わせた新しい研究成果にもとづく病態解析プロフィルも視野に入ってきました.
そこで,総論として尿バイオマーカー探索の最近の研究動向を,各論として今後臨床検査への利用が期待される新しいマーカー5成分を取り上げ,いかにして早期の段階から特異的に異常を捉え責任部位を定めて,補助診断,治療,予防に資するか,病態機序も踏まえて検査上の意義について解説いただくことにしました.
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