学会だより 第12回日本検査血液学会学術集会
まずは末梢血を観よう!!
樋口 美奈
1
1倉敷中央病院臨床検査科
pp.1484
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102848
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「血液学と臨床検査のハーモニー」というメインテーマのもと2011年7月17日(日)・18日(月)の2日間,第12回日本検査血液学会が倉敷市で開催された.参加人数は1,417人!! 学生も大勢参加しており活気のある学会であることがうかがえた.
今回の学会では,「形態診断のためのケースカンファレンス」は4症例のバーチャルスライド画像をあらかじめWeb上で公開し,観察する方式であった.そこから推測する疾患名を4択の中から選び登録し,当日会場で集計結果が発表されることになっていた.もちろん会場でも終日実際の標本を自由に鏡顕することができ,10台ある顕微鏡は常に一杯であった.1枚のスライドからいかに沢山の情報を読み取るかが鍵とあって,熱心に鏡顕する人達で長蛇の列になり,延べ300人近い人が訪れる盛況ぶりだった.そして2日目に行われた解説では,日頃遭遇するであろう症例であることから,見逃してはいけないポイントに重点が置かれた.リンパ腫の症例解説後には,標本に怪しいと思われる細胞が1個でもあった場合どうするかに議論が及んだ.確定はできないがなんだか気になるといったことは時々ある.やはり日頃から臨床医といつでも情報交換できる環境を築いておくことが大切と結論づけられた.バーチャルスライドはしばらくWeb上で閲覧できるらしく,もう一度ゆっくり復習することができる.
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