連載 アーキテクチャー×マネジメント・24
横浜市立みなと赤十字病院
境野 健太郎
1
1工学院大学建築学部建築学科
pp.920-925
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210370
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■設立の経緯
横浜市立みなと赤十字病院は,開院後40余年が経過した横浜市立港湾病院(一般病床300床)の再整備事業として計画された.公立病院の多くが定常的に抱える赤字が問題とされるように,横浜市立港湾病院も年5億円前後の経常損失を抱え,市の一般会計から補塡される赤字体質にあった.新病院は市立病院の経営改革と地域医療の充実を謳い計画が進められたが,正規職員の増員などにより公設公営(直営)方式では市の一般会計負担が3倍になる試算が出された.「横浜市市立病院あり方検討委員会」の答申に基づき,「委譲による民営化」を第一に経営形態が検討されたが,実現が困難であったため,竣工直前の2003年9月,公設民営(民間委託)方式による病院運営が採用された.
2003年12月に完成した新病院は,翌2004年2月,日本赤十字社が運営の指定管理者に選定された.1年の準備期間を経て,手狭となった横浜赤十字病院(一般病床380床)を閉院し,2005年4月,横浜市立みなと赤十字病院(一般病床584床)が開院した.2007年度に,開設時の計画に含まれていた精神科病棟50床を加え,現在は634床で運営されている.
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