今月の主題 Helicobacter pyloriの診断と臨床応用
巻頭言
Helicobacter pyloriの診断と臨床応用
浅香 正博
1
Masahiro ASAKA
1
1北海道大学大学院消化器内科
pp.131-132
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102224
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胃内には塩酸が存在するため,細菌の生育には適さない環境が作り上げられており,胃には細菌は生息できないと考えられてきた.1982年,オーストラリアの熟練の病理学者Warrenと若い消化器病医のMarshallによってはじめてヒトの胃粘膜よりらせん状桿菌が分離培養され,当初Campylobacter pyloridisと呼ばれていたが,その後Helicobacter pylori(H. pylori)という名称に変更された.本菌と胃粘膜病変とのかかわりが次第に明らかになっていくにつれ,胃炎,胃潰瘍など胃の病気の多くに本菌がかかわっていることが明らかになってきた.
H. pylori感染を診断するための診断法には,内視鏡検査を必要とするものとしないものに大別される.内視鏡検査を必要とする診断法は,内視鏡下に胃粘膜を観察しながら,生検鉗子を用いて組織を得る方法である.
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