シリーズ最新医学講座・Ⅰ 死亡時医学検査・11
心肺停止状態における臨床検査
貞広 智仁
1
,
織田 成人
1
,
篠崎 広一郎
1
Tomohito SADAHIRO
1
,
Shigeto ODA
1
,
Koichiro SHINOZAKI
1
1千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学
キーワード:
原因検索
,
蘇生の有効性
,
予後予測
Keyword:
原因検索
,
蘇生の有効性
,
予後予測
pp.1711-1716
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102193
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はじめに
本シリーズではこれまで死亡時,もしくは死後の各種画像検査について述べられてきた.今回のテーマは心肺停止状態における臨床検査,すなわちまだ死亡宣告する前の段階での臨床検査についてであり,いわゆる死後の議論とは趣旨が異なることを念のため初めにお断りしておく.
さて,一口に心肺停止状態といっても,目の前で人が倒れた,といった急激なものから,入浴してから数時間してお風呂で発見された,といった基本的に死亡状態が予想されるものまで時間経過は様々である.この経過によっては病院に運ばれたとしても特別な検査,処置が行われず,ただ死亡宣告のみが行われるという場合もあるが,本稿では積極的な蘇生治療が行われるうえで実際にどういった臨床検査が行われるのか,ということを中心に述べたい.
この臨床検査は目的別に,①心肺停止の原因検索とその解除,②心肺蘇生の有効性の評価,③転帰の予測,④死因検索,に大別されると考えられる.各項目について,心肺蘇生のガイドラインや自施設でのこれまでの経験を基に解説する.
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