今月の主題 オートファジー
各論
オートファジーの代謝生理学的意義
上野 隆
1
,
江崎 淳二
1
Takashi UENO
1
,
Junji EZAKI
1
1順天堂大学医学部生化学第一講座
キーワード:
アミノ酸代謝
,
AMPキナーゼ
,
糖新生
Keyword:
アミノ酸代謝
,
AMPキナーゼ
,
糖新生
pp.1551-1556
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102162
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オートファジーで遊離するアミノ酸は栄養飢餓条件下での代償的代謝に貢献する.すなわち,飢餓条件下で必要な蛋白質合成に使われる一方,エネルギー獲得のために分解される.マウス成体の肝オートファジーについては,さらにアミノ酸から糖新生によってグルコースを作りだし,血糖の維持にあずかることがわかってきた.オートファジーは血漿インスリンレベル低下が引き金になって誘導され,アミノ酸レベルの上昇(アミノ酸バースト)として起こる.このとき糖新生鍵酵素であるPEPCKが活性化される.アミノ酸バーストとこれに伴う糖新生系亢進は肝特異的オートファジー欠損マウスではみられず,血糖は野生マウスに比べて有意に低下していた.
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