今月の表紙 臨床微生物検査・11
ビブリオ・ブルニフィカス
栁原 克紀
1
,
木谷 貴嘉
1
,
松田 淳一
1
,
泉川 公一
2
Katsunori YANAGIHARA
1
,
Takayoshi KIYA
1
,
Junichi MATSUDA
1
,
Koichi IZUMIKAWA
2
1長崎大学医学部歯学部附属病院検査部
2長崎大学医学部歯学部附属病院第二内科
pp.1384-1385
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101828
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1.はじめに
ビブリオ・ブルニフィカス(Vibrio vulnificus;V. vulnificus)は腸炎ビブリオに類似した性質を持つコンマ状ビブリオである.河口付近の海水と真水が交わる汽水域に生息しており,水温が20℃を超えると検出されやすくなる.夏期に海産物を生食することにより発症し,敗血症や壊死性筋膜炎など重症感染症を引き起こす.免疫不全宿主,慢性肝疾患ならびに鉄欠乏貧血などで鉄剤を内服している人などのリスクが高い.九州地方をはじめとする西日本地区で多くの症例が報告されているが,症状の進行が極めて早く,死亡する症例も多いため,迅速かつ適切な対応が必要である.
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